下町の路地裏。一見普通の住宅と勘違いしてしまう佇まい。
そこは、以前から、いつか行こうと思っていた喫茶店。ちょっと用事で、近くまで行ったので、せっかくだからと西日暮里で下車をして、寄ってきました。
想像していたとおりに素晴らしくって、近所にあったら絶対に常連になっています。
築50年の民家を改装して、喫茶店として利用しているそうです。
まるで普通のお宅を尋ねるように、引き戸の玄関を開けると、穏かな奥さんが笑顔で出迎えてくれました。
玄関で靴を脱いで、お部屋に上がらせていただくと、お客さんがすでに2名おりました。全部で席は、10個くらいあったかな。
下町の、普通のお宅で食事を頂いているような雰囲気で、なんだか凄くほのぼの。
お店は、その奥さんが一人で切り盛りされているらしく、少々ゆったりした時間が流れます。
でも、その時間も、このお店がもった味。とても和める空間で、待ち時間も気になりません。
少し寒いでしょう。と奥さんが、火鉢に炭を入れてくれました。
その炭も、なにやら珍しいものだそうです。
「たどん」と言って、炭を固めた燃料で、昔の家庭では火鉢やアンカなどに入れて使用していたのだとか。
若い人は知らないでしょう。うちみたいな隙間のある家じゃないと使えないのよ。と笑顔の奥さん。
どんな字を書くのですか。と尋ねると。私も知らないの、調べましょう。と電子手帳を持ってきた。
しばし、和みの歓談。
ああ、やっぱりこうやって、和めるお店は素敵だな。
まえに行った、「ここち屋」もそうだけど、建物と人間ってリンクしている。
好奇心が煽られるような、素敵な建物には、それを創った人や住む人の、心が染みこんでいるものなんだ。
花歩 (かぽ)
TEL 03-3821-5642
東京都台東区谷中3-21-8
営業時間 10:30~18:00(L.O.17:00)
定休日 土曜・日曜・祝日