現在公開中の大ヒットしている(と思われる)、『ゼロ・グラビティ』を観てきました。
宇宙飛行士が、事故によって宇宙空間に放り出され、スペースシャトルも大破して、決死のサバイバルを繰り広げる本作。宇宙空間のリアルな映像に、緊張感のあるBGMによって、観ているこちらが宇宙空間を実際にさまよっているような体感型の映画になっています。
まず、この映画でおすすめしておきたいのは、映画館で鑑賞するということ。ブルーレイでテレビ鑑賞したら、この映画の魅力が半減どころではないでしょう。
これまで、宇宙モノの映画というと、宇宙空間なのに爆音が鳴り響くという、あり得ない効果音がつきものでしたが、この映画ではそれがありません。
多少の効果音はあったものの、最小限に留められ、緊迫感を盛り上げるBGMにより、観ているこちらを不安にさせ、爆発音や衝撃音の効果をあげています。おそらく、科学考証的にもリアルな作りになっているのでは。
とりあえず、「おいおい。そりゃ、あり得ないだろ~」という違和感はありません。
登場人物が極端に少ないのも、緊迫感が伝わってくる。なにしろ、主人公のサンドラ・ブロック演じるライアン・ストーンと、ジョージ・クルーニが演じたマット・コワルスキーの二人しかいない。あとは死体と、声のみの出演というシンプルな構成となっていて、生というものを感じにくい。むしろ、死に囲まれていることが演出されている。さらに、物語の後半は、サンドラ・ブロックの一人芝居。このことにより、鑑賞者が孤独感や絶望感を体感しやすくなっている。
ちなみに、この映画の邦題は『ゼロ・グラビティ』だけど、原題は『GRAVITY』となっている。
「無重力」と「重力」という大きな違いがあるわけだけど、日本版では語呂の良さからなのか、思想の違いなのか、ゼロ・グラビティに変更されている。
この物語は、原題のほうが映画の深みが増すと思うんだけどなあ。