memo

心に響くもの

映画

アポカリプト

投稿日:2009 年 10 月 24 日

アポカリプトを見た。
ちょいと、ネタバレありで書きます。

apocalypto

舞台は、マヤ文明後期のジャングル。事前情報としてあったのは、それだけ。
物語早々、襲撃をうけた部族がジャングルを移動していく。
これは、おそらくスペインに襲われたのだろう、スペインとマヤ人の戦いを描いた映画なのだな、ふむふむ、と構えていたのだけれど、これが全然違っていた。

apocalypto

マヤ帝国の兵士が、原住民を国家へと強制連行して、奴隷として人身売買してしまうのだ。さらには、そのまま生贄として、ばったばったと首を撥ねる。
それが、ひとりやふたりじゃあない。次から次へと残酷な描写が繰り返されていく。
う~ん、たしかにマヤ文明は、生贄の儀式があったらしいけど、ここまで殺すか?
よく、戦争映画や時代劇なんかでも、痛々しい描写があったりするけれど、これはさらに輪をかけて残酷だ。

apocalypto

そして、この映画の主人公であるジャガー・パウ君も生贄となり、殺されかけてしまう。
しかし、そこは主人公、死ぬわけにはいかない。命からがら逃げ出します。
ここからが、この映画の真骨頂。もの凄い逃亡と、戦いが繰り広げられるのであった。
追いかけてくる大勢の帝国兵の攻撃をかいくぐり、ランボー並の戦術とスタミナで、帝国兵をばったばったと倒しながら自分の村へと戻っていく。
しかし、多勢に無勢。全員倒すことはできず、さすがのジャガー・パウ君も体力の限界がやってきた。
そして、ヘロヘロになりながらジャングルを抜け出し、海へと出る。
そこで、ジャガー・パウ君は、あるものを見て呆然として、砂浜にへたれ込んだ。
追ってきた帝国兵も同様に、その光景を見て呆然としてしまった。

apocalypto

そう、沖合いには十字架をかかげた船がスペインなのだった。これがこの映画のオチ。これには、正直、打ちのめされてしまった。マヤ文明後期の設定は、このためだったのだ。
巧みな伏線の回収と、迫力のあるアクションに、どんでん返しのオチ。この映画には、最初から最後まで、いろんな意味でやられっぱなしであった。


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

ダム・キーパー

「ダム・キーパー」を観た

ようやく、トンコハウスの「ダム・キーパー」を見ることができました。 この作品は、海外の映画祭を中心に上映されていて、日本での公開はごく僅かだったもんで、見る機会を逃していました。 今回は、ほぼ日刊イト …

no image

『クラウド アトラス』を観て思うこと – 選択することで世界は繋がる

現在公開中の映画、『クラウド アトラス』を観てきました。久しぶりに、ブログに書きたくなるような、凄い映画だった。なにが凄いって、「とにかく、凄い映画だった」というのが第一印象に出てしまうような、説明の …

no image

ターミネーター4 Terminator Salvation

Terminator Salvation ターミネーターは帰ってきましたよ。 前作のT3が、ただ破壊しまくるだけで、ドラマのないヒドイ出来だっただけに、今回は、挽回の意味も込めて、期待しておったのです …

no image

『ビューティフル・マインド』を観て思うこと

『ビューティフル・マインド』という映画が面白いと聞いて、さっそく観てみた。 主人公は、ジョン・ナッシュという実在する天才数学者の話。実話がもとになっています。 世の中に起こることは、ガラスの反射から鳥 …

no image

『夢と狂気の王国』を観た

スタジオジブリの製作現場を描いたドキュメンタリ映画『夢と狂気の王国』を観てきました。 ジブリを題材にしたドキュメンタリというと、これまでにも沢山あって、一つの作品が出来るまでの過程を追ったメイキングも …