ラーメンズの片桐仁が、自身が作る粘土作品を展示する『片桐仁 感涙の大秘宝展 ~粘土と締切と14年~』を渋谷のパルコに見に行きました。
片桐さんといえば、舞台コントを中心に活動するお笑い芸人ではありますが、美大出身なので美術系の活動もしています。自身の作品をまとめた、『粘土道』という作品集を出したりだとか、アート系の活動が目立ってきましたね。
今回、パルコで行なわれた展示は、ラーメンズの相方、小林賢太郎さんのひと言「毎月何かに粘土盛ったらいいんじゃない?」がきっかけではじまった、片桐仁のつくる不条理アートの世界を展開する雑誌連載、粘土道。はじまりから14年がたった今、片桐仁が日々迫りくる締切と戦い、たまに負けながら月に1作品のペースで世に送り出しつづけた問題作、新旧含めほぼすべてを一同に展示されています。
展示されている作品は、もう片桐ワールド全快で、独自の世界観が強くて、とにかく濃い。
主に、妖怪のような気持ち悪いものが多いです(笑)。
写真撮影がゆるされた作品群を片桐さんのコメント共に、ちょこっとご紹介します。
金庫に粘土を盛った「金蔵くん」
「これは、中国の殿王朝とか、今の中国にもほとんど残ってない古代美術をモチーフにしたんです。目や口のカタチとか耳とか。古代中国の金属製の器「鼎」を作りたくてね。ちなみに鼻をねじると開くんです。
人間の鼻で作っていたんですけど、最後、象の鼻に付け替えました。初めて型取りして作った作品です。」
バナナケースに粘土を盛った「イグバナナ」
「これは、光輝トカゲのリベンジと言うか、粘土が見えなくなるくらい粘り倒そうとがんばった作品です。「NHKのスタジオパーク」でアナウンサーに壊されるというハプニングがあったんですが、怒ったプロデューサーの「これが岡本太郎の作品だったらどうすんだお前!」という名言も飛び出しましたね。おいおい、片桐のならいいのかい!と・・・。」
メトロノームの「シャチーン」
「これは我ながらカチっといった作品です。メトロノームがいいな~と思って、なんだろな~やっぱりシャチホコかな~と。迷いはなかったですね。でも、ちょっと顔が洋風になっちゃったんですね。一番ベタなシャチホコをモデルにしたんですが。ウロコはカメラマンの大坪くん(愛知県出身!)に牛革を延々切り出してもらいました。100枚くらいだったかな?」
メガネケースの「メガネゴン」
「このあたりから予算がキツくなって来まして、もっと100均を活用しようと、で、眼鏡ケースになりました。ちなみに、最初は顔だけのつもりだったのがどうしても身体も作りたくなって、締切の2日前だったんですけど。あと、ケース内側に布を貼るのがすごく面倒くさくて、余計なことしなきゃよかったと思いましたね。」
ドライヤーの「ドライヤサウルス」
「俺ゲタ」
「俺ハンテープ台」
「ヤングマガジンアッパーズの連載第1回目につくったもの。相方が設定を決めてくれて、口からテープが出てくるっていうのがいいなと。自分の顔だけでいけるかと思ったけど、ちょっともの足りないと思って、手をつけて。担当に見せたらOKもらいました。これで文房具に粘土をもって、という方向性が決まりましたよね。」
「俺ホッチキス(業務用)」
「初期の超大作。何も考えずに粘土を盛って、上の歯をパテでつくって。鼻、目、唇をつくったら伸びちゃって。目を入れたら化け物になっちゃった。裏側に顔がいます。友達のミニクーパーのホイールキャップ用につくったもの。受け取ってもらえなかったけど…。珍しく丸い顔を作ったのはそれ用だったからですね。」
ここに掲載してない作品も、たくさんありまして、土偶に大仏だとか。
哺乳瓶に粘土を盛って作られた、鬼なんかもありました。実際にお子さんに与えてみたそうですけど、飲んでくれなかったそうです。そりゃそうだろうよ……。
粘土道 完全版 ラーメンズ・片桐仁の作る不条理アートの世界。これが粘土道! 『粘土道 完全版』は、カリスマ的な人気を誇るコントユニット『ラーメンズ』の片桐仁氏が造る、 独特な世界観の粘土造形物をまとめた作品集です。 |