アポカリプトを見た。
ちょいと、ネタバレありで書きます。
舞台は、マヤ文明後期のジャングル。事前情報としてあったのは、それだけ。
物語早々、襲撃をうけた部族がジャングルを移動していく。
これは、おそらくスペインに襲われたのだろう、スペインとマヤ人の戦いを描いた映画なのだな、ふむふむ、と構えていたのだけれど、これが全然違っていた。
マヤ帝国の兵士が、原住民を国家へと強制連行して、奴隷として人身売買してしまうのだ。さらには、そのまま生贄として、ばったばったと首を撥ねる。
それが、ひとりやふたりじゃあない。次から次へと残酷な描写が繰り返されていく。
う~ん、たしかにマヤ文明は、生贄の儀式があったらしいけど、ここまで殺すか?
よく、戦争映画や時代劇なんかでも、痛々しい描写があったりするけれど、これはさらに輪をかけて残酷だ。
そして、この映画の主人公であるジャガー・パウ君も生贄となり、殺されかけてしまう。
しかし、そこは主人公、死ぬわけにはいかない。命からがら逃げ出します。
ここからが、この映画の真骨頂。もの凄い逃亡と、戦いが繰り広げられるのであった。
追いかけてくる大勢の帝国兵の攻撃をかいくぐり、ランボー並の戦術とスタミナで、帝国兵をばったばったと倒しながら自分の村へと戻っていく。
しかし、多勢に無勢。全員倒すことはできず、さすがのジャガー・パウ君も体力の限界がやってきた。
そして、ヘロヘロになりながらジャングルを抜け出し、海へと出る。
そこで、ジャガー・パウ君は、あるものを見て呆然として、砂浜にへたれ込んだ。
追ってきた帝国兵も同様に、その光景を見て呆然としてしまった。
そう、沖合いには十字架をかかげた船がスペインなのだった。これがこの映画のオチ。これには、正直、打ちのめされてしまった。マヤ文明後期の設定は、このためだったのだ。
巧みな伏線の回収と、迫力のあるアクションに、どんでん返しのオチ。この映画には、最初から最後まで、いろんな意味でやられっぱなしであった。