memo

心に響くもの

日常

イバラード借景庭園展に行く

投稿日:2010 年 9 月 13 日

しばし、イバラードの世界へ。
そこは、画家の井上直久さんによって創造された架空の世界。だけど、まったくの架空ではなくって、現実世界の視点を変えることによって生まれた、もう一つの世界っていえば良いのかな。
ジブリ美術館で上映されている「星をかった日」の少年が暮らしていたり、「耳をすませば」に出てくるバロン伯爵の住んでる世界といったら知っている人も多いかもしれない。ジブリ美術館には、イバラードの世界が壁画として描かれています。あの宮崎駿さんも惚れ込んだ世界なのですよ。

イバラード(Iblard)は画家・井上直久によって創造された架空の世界にある国。

魔法の存在する世界であり、人々はソルマという技法でシンセスタという鉱石を用いて自分の思い浮かべたものを形にして表わす。空にはラピュタと呼ばれる浮島あるいは小惑星が多数浮かび、街の建造物は植物に覆われる。この世界の公共交通機関は車輪がなく宙に浮く路面電車と同じく空に浮かぶ鉄道「ジーマ」である。

iblard

自己表現をするために、ただひたすらに写真を撮ったり、アニメを作ったり、陶器を作ったりとさまざまな人がいるけれど、井上直久さんは、まさに、イバラードという世界を構築するために絵を描き続けている人なのです。
そのイバラードの新作が「借景庭園展」で発表されているのでした。

iblard

会場には、井上直久さんもいらっしゃって、創作についての話を聞くことができました。
井上さんの自然体で話されるその空気が、世間話のように感じさせられたけども、いま思えば貴重な話が多かったような気がします。「耳をすませば」の背景画を制作する際に交わした宮崎駿監督とのやりとりだとか、高畑勲監督と訪れた円通寺での思い出などなど。そもそも、歴史に残るような画家の方と、ほんのちょこっとだけれど話しができたことが、貴重な時間だったのだ。
「イバラード借景庭園展」は9月24日まで、東大前「アートスペース」にてやっております。


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

文化庁メディア芸術祭の受賞作品からピックアップ

前評判が高かったので、文化庁メディア芸術祭を覗いてきました。 新国立美術館にて2月2日から13日まで開催されておりました。 僕が行ったのが最終日だったので、もう終わってから記事にすることになってしまい …

no image

思い出の本 スマーフ物語の復刻を望む

先日、ネットサーフィンをしていたら、たまたま「スマーフ」のサイトに行きつき、映画化されて来年には日本でも公開されることを知しりました。 この「スマーフ」というのは、青い肌にダンゴッ鼻の小さな妖精のこと …

no image

坂崎紫瀾の龍馬伝 – 汗血千里の駒

今年のNHK大河ドラマ、「龍馬伝」が終わってしまった。 今まで、坂本龍馬というと、どうしても司馬遼太郎のイメージがあった。 そして、大河ドラマというと、少し古い演出で若者には受け入れづらいものが多かっ …

no image

陶芸

遅ればせながら、いくちゃんから届いたカップのご紹介を。 僕は、コーヒーカップをひとつ買ったのだけれど、ふたつも送って頂いていたのでした。感謝です。 まず、こちらが僕が買ったカップ。 外見の焦げ茶色に、 …

no image

野山北公園とクロスケの家

犬仲間の皆さんと、野山北公園に行ってきました。 都心から一時間程度で、日本の原風景が堪能できる、ハイキングコースでございます。 あの『となりのトトロ』のモデルとなった場所の近くだけあって、昔の日本らし …